大判例

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高松高等裁判所 昭和29年(う)817号 判決

しかし職権に依つて調査すると原審は被告人を懲役三月に処し、三年間刑の執行を猶予した上被告人を保護観察に付し刑法第二五条の二を適用しているが、同条第一項後段は禁錮以上の刑に処せられたものがその執行猶予の期間中罪を犯し猶予の期間内に更に執行猶予を言渡すべきものに適用すべきものと解すべきところ、被告人は昭和二七年四月一八日高松地方裁判所に於て毀棄罪に依り懲役三月、一年間刑の執行猶予の判決を受け、該判決は昭和二八年二月一九日確定したが昭和二七年政令第一一八号に依りこれが懲役二月七日、九月間執行猶予と変更せられた為、原判決言渡当時は既に右猶予期間を経過していて刑法第二五条の二第一項後段を適用する場合に該当しないことが一件記録に依つて明らかであるのみならず、本件は昭和二八年五月三〇日の犯行に係り、従つて昭和二九年法律第五七号(刑法の一部改正法律)附則第二項に依り刑法第二五条の二第一項前段に依つて保護観察に付する場合にも該当しないものと認められるので、被告人を保護観察に付する旨の言渡をした原判決はその法令の適用を誤つた違法があるものと云わなければならない。しかもこの違法は当然判決に影響するから原判決は破棄を免れない。

(裁判長判事 三野盛一 判事 谷弓雄 判事 合田得太郎)

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